802.11sについてまとめてみた

最初に疑問?をかいちゃうと
Q1) MPPは複数設置可能? ルーティングは大丈夫?
Q2) ステーション(PC)の802.11sスタック実装は存在する?


以下、本文

802.11s( 2004年5月にWG発足)
マルチベンダー対応のワイヤレスメッシュネットワーク
ルータ間を無線で結ぶ技術
(ケーブル無しで直接外部インターネットに繋げるための物では無い)

32個以下を想定したアクセスポイントをメッシュ状に接続/マルチホップで通信する方式



メッシュネットワーク(mesh network)は、
ノード間のルーティングの一種。
故障などで使えなくなった経路が発生しても継続的に接続・再構成を繰り返し、
送信先に達するまでノードからノードへ転送を行う。

(全ノードが相互に接続されているものを完全接続ネットワークと呼ぶ)
メッシュネットワークの最大の特徴
(1)各ノードがトラフィックを転送する「ホップ (hop)」という動作をし、
各ノードから任意のノードへ接続
メッシュネットワークはアドホックネットワークの一種と見ることもできる。

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無線メッシュネットワークはメッシュネットワークの典型的応用例である。
無線メッシュは当初軍事用に開発され、20世紀末以降かなりの進歩を遂げた。
無線技術が低コスト化し、無線通信装置はメッシュノードとして
複数の無線通信をサポートできるようになり、
クライアントアクセス、双方向サービス、移動体への高速な転送
のための無線スキャンなどの機能が提供できるようになった。
メッシュノードの設計がよりモジュール性が高くなり、
それぞれ異なる周波数で通信する複数の無線カードをサポートできるようになった。


ワイヤレスメッシュ技術
IEEE 802.11ワイヤレスネットワーク
マルチベンダー対応のメッシュネットワーク
IEEE 802.11sのセキュリティはIEEE 802.11i(security)とIEEE 802.1X規格を利用する。


IEEE 802.11s..アドホックモードのコンセプトを拡張したもの
各パケットは
中間ステーション(複数の場所に設置されたMP)を経由することができる
パケットは中間ステーションを次々とホップしながら、最終的にあて先に到達する。
メッシュネットワーク vs 非メッシュ型 ... 広いエリアに拡大することが可能

IEEE 802.11sネットワークは、
IEEE 802.11a/b/g/nの規格をカバー
MAC(Media Access Control)層とパケットフォーマットは
非メッシュネットワークとの干渉を避けるようにデザインされている

MAC層の項目を拡張するんだね。

メッシュネットワークと非メッシュネットワークを混在させることも可能
両ネットワークを混在させる場合でも、従来のIEEE 802.11機器を変更する必要はない。

IEEE 802.11sの機能は、MAC層とリンク層(どちらもL2)のどちらでも動作する?
L2上にて実装される、ってっことかね?
それよりも上のIPネットワークスタック(L3)の各層は修正されない

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メッシュポイント ..MP
ほかのIEEE 802.11sステーションとのノード・ツー・ノード通信をサポートする
802.11sステーション

メッシュポータル ..MPP
IEEE 802.11sの機能 + 有線ネットワークインタフェースを備えたIEEE 802.11sステーシ ョン

メッシュアクセスポイント ..MAP
MAPは非メッシュノード用のAPとして機能 有線ネットワークに接続することにより、MPP として機能することもできる


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メッシュ構成
従来の非メッシュステーションの場合は、通信エリア全体にAPを配置し、各APまで有線ネットワークを延長する必要なのに対して ... 以下、meshの説明


(基本はMP)
メッシュネットワークは 有線ネットワークと接続せずにMPだけで構成できる
これらのMP間で通信が行われるが、MPPを含めた構成ではさらに有用性が高い
MPは広いエリアに分散でき、屋外や大規模施設(倉庫など)でも利用可能

(有線との接続はMPP一台でOK、)

つーか、複数設置できるのか? ルーティングがめんどくさくなりそう

IEEE 802.11sでは、有線で接続するのは1台のMPPだけでよい。
離れた場所にあるメッシュ構成のステーションは、中間ステーション(MPだね)を介してMPPと通信する。


(非メッシュ型ステーションとの接続 MAP)
各非メッシュステーションは、最も近くにあるMAPに関連付けられる。
パケットは途中に配置されたMPを次々とホップしながら、
ネットワークの終端にあるMPPに到達する。

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経路の探索(ルーティングとフォワーディング)

メッシュネットワークには自己修復性がある。
1つのノードがダウンしたり、1つの接続が不良となっても、
ネットワーク全体は運用可能となる


IPスタックの上層(第3層以上)では、
メッシュは1つのスイッチドネットワークのように見える。
IEEE 802.11sは、従来のスイッチドネットワークで用いられる
スパニングツリープロトコルの代わりに
HWMP(Hybrid Wireless Mesh Protocol)を使用する。
HWMPは、メッシュ内の経路を作成するのにつぎの2つの手法を使用する。
(1)プロアクティブルーティング
(2)オンデマンドルーティング
(3)RM-AODV(Radio Metric Ad Hoc On Demand Distance Vector)ルーティング
という2+1つの手法を使用する。

(1)プロアクティブルーティング

... ポータルアナウンスメント
... ルートアナウンスメント
の2つをつかって、ルーティングテーブルを生成、配布するんだね

プロアクティブルーティングは、効率的なルーティング手段を提供する。
この手法は、大抵のメッシュネットワークには少なくとも1つのメッシュポータル(MP)
が含まれており、
多くのパケットはポータルを通じてルーティングされるという事実を利用したものだ。
MPはネットワークルート(親分というかコントローラ?)になるように構成できる。
ルート(コントローラ?)として構成されたMPは、
ポータルアナウンスメントを定期的に送信し、
ほかのMPからのアナウンスメントを待ち受ける。
複数のMPがルート(候補?)として構成されている場合は、
(その)MP間でネゴシエーションを行い、
そのうちの1つがネットワークルートに指定される。

ネットワークルートに選ばれたルートポータルは、
ルートアナウンスメントを送信する。
このアナウンスメントは、次々とホップしてネットワーク全体に転送される。
各MPは、隣接するMPから受け取ったルートアナウンスメントに基づいて、
ツリー構造のルーティングテーブルを作成する。
異なる経路を通った複数のアナウンスメントをMPが受信することも多い。
MPはアナウンスメントに含まれる指標に基づいてルーティングテーブルを作成する。
これらの指標は経路上の各MPによって更新される。

(2)オンデマンドルーティング

プロアクティブルートがイない(つまりうえの親分がイない場合)

IEEE 802.11sノードは、あて先へのプロアクティブルートが存在しない場合には、
オンデマンドルーティング手法を用いてあて先を探す。
送信元ノードはあて先に対するリクエストを隣接するノードに送信する。
このリクエストは順次転送されて、あて先に到達する。
あて先ノードから送信された応答は、送信元まで転送される。

(3)RM-AODV(Radio Metric Ad Hoc On Demand Distance Vector)ルーティング

リクエストがすべての隣接ノードに送信され、
多くの経路を通って(複数のパケット?が)あて先に届く場合もある。
つまり、複数コピーのリクエストがあて先ノードに到達する可能性があるのだ。
同様に、複数コピーの応答を送信元ノードが受信する可能性もある。
複数の通信可能な経路から1つを選択する手段には、
RM-AODV(Radio Metric Ad Hoc On Demand Distance Vector)ルーティングが
使用される。

RM-AODVはAODVの改良版...
エアタイム(計測された転送速度、トラフィック量、経路上の干渉に基づく指標)
などが(追加項目として)含まれる。
ちなみに,AODVはRFC 3561( IETFのMANET(Mobile Ad hoc NETwork)WGで標準化されたプ ロトコルの1つ)

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IEEE 802.11sのセキュリティ
IEEE 802.11sはIEEE 802.11iとIEEE 802.1X規格を利用する。


メッシュネットワークは、セキュアなアクセスを実現するプロセスをさらに複雑
(各ノードが1台のAPに接続しているのではなく、多数の隣接ノードへの経路を保持)
各ノードがパラメータおよびキーペアのネゴシエーションを各隣接ノードと行う際には、IEEE 802.11iを使用する。

?ここでいっているノードってのはMP群のことかしら?

 IEEE 802.11s規格はまだ最終的なものではないが、
既にインプリメンテーションは進んでいる。
ドラフト版IEEE 802.11sに規定された低電力仕様は、
One Laptop Per Child(OLPC)プロジェクトが供給しようとしている
ノートPCの運用環境には理想的だ。
OLPCIEEE 802.11sドラフトをベースとして、
ノートPC間通信のインプリメンテーションを開発した。
open80211s Consortiumでは、オープンソースのインプリメンテーションを開発中

あと、openmeshproject.orgってのあるみたい。

*1:一般に各ノードは移動可能ではない... (MANET) とメッシュネットワークは密接に関連するが、MANET では更にノードが移動することで発生する問題にも対処する必要がある。